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イップスになりまして【前編】

これは、実際の私の体験談です。 イップスで悩んでいる子がいれば少しでも参考になればという思いと、誰でもイップスになる可能性は持っているということがわかってもらえれば幸いです。

今回、私が語るのは、スポーツを頑張る誰もが恐れる「魔物」イップスについてです。

「これまでできていたことが、ある日突然、自分の意思に反してできなくなる。」

膝の痛みとは違い、それはまるで脳が自分の体を乗っ取ったかのような、身も凍るような感覚です。多くの親御さんや選手が「メンタルが弱いからだ」と責めてしまう、あの深刻な悩みの正体。

実は、私自身、高校時代にこの魔物、イップスに完全に蝕まれました。

なぜ、力と根性で乗り越えてきたはずの私の体が、わずか数ヶ月で崩壊したのか?

今回は、その地獄のような体験のリアルと、魔物が生まれるまでのプロセスについて、ダラダラと、しかし情熱を持って語っていきたいと思います。


私は小学4年生から野球を始め、中学はリトルシニアで汗を流しました。

体は特別大きくはなかったですが、足もそこそこ、打つのもそこそこ、投げるのもそこそこ。どちらかというと、**「力でなんとかするタイプ」「気合いと根性でなんとかなる!」**ってやつでしたね(笑)。

中学時代はキャッチャーとピッチャーをやっていましたが、特に投げ方で悩んだり、気になったりするようなことは一切ありませんでした。大きな故障もなく、中学野球までは非常に順調に過ごせました。

高校は、たまたま野球推薦をもらえたので、野球をやるために行っていたようなものです。すべてが順調で、不安なんて何一つなかったあの頃…。

 

■ 1年夏、「気合いと根性」ではどうにもならない現実

 

入部当初はピッチャーでしたが、当時の高校野球ですから、「先輩が怖い」なんてのは今でもある話で大したことではないですね。

元々コントロールは良い方ではなかったので、「今日投げてみないとストライク入るかはわかりません!」って感じでした…w。というわけで、ピッチャーは夏ぐらいに首になりました( ´∀`)チーン。

 

■ 新チームで受けた「悪魔の囁き」

 

そして新チームが始まり、悪魔の囁きが訪れます。

新チームからはキャッチャーに転向し、オープン戦では試合に出たり出なかったりと、切磋琢磨して練習に励んでいました。そんなある日、監督からの一言が私の運命を大きく変えます。

監督:「おい、お前。キャッチャーなんだからもっと後ろ小さくしてコンパクトに投げろ!」

自分:「はい!」

はい。悪魔の囁き到来です。

所謂、昭和の「キャッチャー投げ」ってやつですね。「とってから早く投げろ!」という、スピードを重視した指導です。そして、どちらかというと素直な方だったので、その言われたことを忠実にやるタイプでございました。

 

■ 身体に出始めた最初のサイン

 

その指導に従って練習をしていく中で、身体に異変が起こり始めます。

「あれ?肩痛い?」

今までにない、初めての感覚が身体に出てきました。

それでも、「痛い」なんて、当時の自分には絶対に言えなかったですよね。キャッチャーとして試合に出始めたばかりで、やっと掴んだチャンスでしたから。「痛い」と言えば「根性がない」「サボっている」と思われてしまう、そんな空気でした。

今思うと、あの頃は心身ともにボロボロでしたわw。

 

■ 負の連鎖と決定的な瞬間

 

そうしているうちに、悪送球が増えて来るようになりました。

**「おい!ちゃんと投げろ!」**って先輩、同級生に怒られる毎日です。そりゃ、キャッチャーが悪送球を繰り返せば怒られて当たり前ですよね。

でも、一度こういうマインドになると、もう正常な判断ができなくなるんです。

痛くて、投げられない。

でも、痛みを隠して投げる。

投げたけど、狙ったところに行かないので怒られる。

もう、滅茶苦茶ですw w w

そして、すべてが崩壊した、とある日がやってきます。

それは、ピッチャーに返球する時でした。

僕が投げた球が、マウンドの半分のところでワンバンしました。

これで完全終了です。


【前編の結び】

この瞬間、私の高校野球は一変しました。そこから待ち受けていたのは、「なぜ投げられないのか」と自分を責め続ける地獄の日々でした。

後編では、この悪送球を生んだ**「魔の投げ方」がなぜ脳に上書きされてしまったのか**、そして結局私が克服できなかった理由について語ります。そして、今の私だからこそ言える、イップス克服のための最も重要なヒントをお伝えします。

**【後編】**に続く。どうぞご期待ください!

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