「うちの子は大丈夫」と思っていませんか? 学生にも潜む燃え尽き症候群の落とし穴

燃え尽き症候群って、まさかうちの子が?〜「頑張り」の先に潜む見えない落とし穴〜
お子さんが毎日勉強や部活に励む姿は、親として誇らしいものですよね。「頑張っている証拠だ」と安心している方も多いのではないでしょうか? でも、もしその「頑張り」が、お子さんを心身ともにボロボロにしてしまうとしたら…?
「燃え尽き症候群」は、大人だけの話だと思っていませんか?
「燃え尽き症候群(バーンアウト)」と聞くと、仕事に疲れた大人がなるもの、というイメージが強いかもしれません。「うちの子はまだ学生だし、関係ないだろう」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実は、そうとは限らないんです。
むしろ、将来への不安、友人関係の悩み、受験のプレッシャーなど、多くのストレスに囲まれている現代の学生こそ、燃え尽き症候群に陥りやすいと言われています。毎日目標に向かってひたむきに努力するお子さんほど、知らず知らずのうちに心身の限界を超え、ある日突然、エネルギーが枯渇してしまうことがあるのです。
「疲れているだけ」じゃない?燃え尽き症候群の意外なサイン
「最近、なんだか元気がないな」「勉強に集中できていないみたい」…お子さんの変化に気づいても、「一時的なものだろう」「ただ疲れているだけ」と軽く見てしまうことはありませんか?
しかし、それは燃え尽き症候群の初期サインかもしれません。
例えば、
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今まで楽しんでいたことに興味を示さなくなる
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食欲不振や過食、睡眠の問題がある
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理由もなくイライラしたり、落ち込んだりすることが増える
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頭痛や腹痛など、身体の不調を訴える
といった変化が見られたら、もしかしたらお子さんの心と体がSOSを出しているサインかもしれません。「頑張りすぎている状態」が長く続くことで、心身のバランスが崩れてしまうことがあるんです。
医学的見地から見る「燃え尽き」と自律神経・呼吸の深い関係
では、なぜ「頑張りすぎ」が燃え尽き症候群につながってしまうのでしょうか?そこには、私たちの体の状態をコントロールしている自律神経が深く関わっています。
過度なストレスやプレッシャーが続くと、自律神経のバランスが乱れやすくなります。特に、体を緊張させ、活動的にする交感神経が優位になりすぎる状態が続くと、心身が常に興奮状態となり、十分に休息をとることができなくなります。この状態が長く続くと、心身ともにエネルギーを使い果たしてしまい、やがて燃え尽きてしまうのです。
そして、この自律神経と密接に関わっているのが「呼吸」です。緊張している時、私たちの呼吸は浅く速くなりがちです。これは、交感神経が優位になっているサインでもあります。浅い呼吸では、十分に酸素を取り込むことができず、心身の疲労回復が滞ってしまいます。
逆に、深くゆっくりとした呼吸は、体をリラックスさせ、休息や回復を促す副交感神経を優位にする働きがあります。
お子さんの「頑張り」を支えるために、呼吸について考えてみませんか?
お子さんが「燃え尽き症候群」にならないためには、頑張りすぎているサインに気づき、心身のバランスを整えるサポートをしてあげることが大切です。
日々の生活の中で、お子さんの様子をいつもより少しだけ注意深く見てみてください。そして、もし気になるサインがあったら、「ちゃんと息が吐けているか」、お子さんと一緒に確認してみてはいかがでしょうか?
「深く息を吸って、ゆっくり吐く」
このシンプルな動作が、意外とできていないことがあります。意識的に息を長く吐き出すことで、自律神経のバランスが少しずつ整い、心と体に休息を取り戻すきっかけになるかもしれません。
お子さんの健やかな成長のために、ぜひ「呼吸」の力に注目してみてください。